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2018.12.01スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・ヴォーカル編~ローズマリー・クルーニー”ホワイト クリスマス”

今月のジャズ・ヴォーカルのお薦めの1枚は、クリスマスシーズンですので、いくつか有るジャズ・ヴォーカルのクリスマス曲集アルバムから、ローズマリー・クルーニーの「ホワイト クリスマス」を選びご紹介したいと思います。

ローズマリー・クルーニーは1928年にケンタッキー州メイズヴィル市に生まれました。 幼少時から歌うことが好きで、メイズヴィル市長に3選された祖父の選挙運動では妹と共に既に祖父の支持者の前で歌を披露していた様です。 ただ父親がアルコール依存症で、母親は出張の多い仕事に就いていた関係で、親戚が代わる代わる両親に代わり姉妹と弟の3人を育てるという不遇の幼少期を過ごし、さらには13歳の時に両親が離婚し、母親は弟だけを連れて家を出てしまい、姉妹は父親と暮らす様になります。その父親は残された姉妹のために改心し真面目に働きますが、ローズマリー17歳の時に世の中が第二次世界大戦終結の祝賀の喧騒に揺れる中、その混乱に乗じて失踪してしまいます。 極貧で途方に暮れる中、幸いにも妹と受けたシンシナティのラジオ局のオーデションに合格し、姉妹は1945年に「The Clooney Sisters」として歌手デビューを果たします。

デビュー後の数年間は「The Clooney Sisters」として歌手活動を続けますが、21歳の時に妹と別れローズマリーは単身ニューヨークに渡ります。このニューヨークへの移住がジャズ・ヴォーカリストとしての大きな転機になり、その二年後の1951年にリリースした「Come On-a My House (家へおいでよ)」が全米で大ヒットし、その後も「Mambo Italiano (マンボ・イタリアーノ)」等の世界的ヒット曲を立て続けに出し、ジャズ・ヴォーカリストとしての地位を確立します。

その後はジャズ・ヴォーカリストとしてだけでなく、その美貌を業界関係者に評価され、女優として映画やテレビドラマ等迄活動の領域を拡げ、特に映画界では、1954年に当時人気絶頂のジャズ・ヴォーカリスト ビング・クロスビーとの共演で、映画「ホワイト・クリスマス(White Christmas)」に出演した他、「楽しき我が家(The Stars Are Singing)」等の名作にも出演を果たしています。 またローズマリー・クルーニーの甥に当たるのが、13歳の時に別れた弟ニック・クルーニーの息子で今やハリウッドを代表する人気俳優ジョージ・クルーニー。ローズマリーは、甥ジョージの出世作となったテレビドラマ「ER緊急救命室」へもゲスト出演をしています。

女優としても活動を続ける一方、ジャズ・ヴォーカリストとしても引き続け積極的な活動を続け、ミッチー・ミラー楽団の専属歌手としての活動や、フランク・シナトラとの共演録音によるレコードのリリース、、デューク・エリントン楽団への客演等を行っていましたが、60年代後半からのロックの台頭と共に表舞台から忘れ去られ、まったく唄わず、その傷心を癒すかの様にアルコールや薬などの過剰摂取に向かい、その影響で何年も病院での療養生活を余儀なくされ、70年代の半ばまでは引退同然の生活を送っていました。しかし1975年に、かつての共演者ビング・クロスビーの計らいで見事な復活を遂げました。      その後は、今回ご紹介する「ホワイト クリスマス」を含め、何枚もレコードやCDをリリースしています。ライブでの活動も復活後は積極的に行い、特に1981年毎年オランダで開催される世界的ジャズ・フェスティバル「ノース・シー・ジャズフェスティバル」に、ローズマリーが当時所属していた同じレコードレーベル コンコルドのオールスター奏者スコット・ハミルトン、アル・コーン、ジェイク・ハナ、デイブ・マッケンナ、ウォーレン・ヴァッシェ等豪華なメンバーからなるバンドを従え出演し、「言い出しかねて(I can’t get started)」等のスタンダード曲中心に、復活前と違わぬ原曲のメロディを大切にし歌詞をクリアに発音し唄うと言うローズマリー独自の往年の丁寧な歌唱を繰り広げ、その演奏は名演として語り継がれ、現在でもYou Tube等でその時の演奏動画を観ることが出来ます。

その後も療養生活のブランクを埋めようとするかの様に世界中のファンのために積極的な演奏活動をしましたが、2001年11月のコンサートを最後に、肺がんとの闘いとなり、2002年6月29日にビバーリーヒルズの自宅で息を引き取り、波乱の多かった74年の生涯の幕を閉じました。

ローズマリー・クルーニーはこの様にジャズ・ヴォーカリストとしての長い経歴や多くの著名アーティストの共演を経て、ジャズのスタンダード曲はもちろん、映画音楽やラテン音楽まで幅広いレパートリーを誇り、これ迄も数多くのアルバムを残し世界中に多くのファンが居ますが、今月はその中から、アルバム「ホワイトクリスマス」をご紹介したいと思います。

 

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ローズマリー・クルーニー


Rosemary Clooney


White Christmas


ホワイト クリスマス


 

ローズマリー・クルーニーのクリスマス曲集アルバム「ホワイトクリスマス」は、実は彼女のヴォーカリストとしての長いキャリアの中で二つ有り、最初の一つは1954年に女優としてのローズマリーの出世作映画「ホワイト クリスマス」からのサントラ盤。もう一つは60年代後半からの療養生活後に1975年に見事復帰し、その後は精力的に録音やライブ活動を続ける中で新規録音・リリースされたもの。今回はその後者の方をご紹介したいと思います。

このアルバムは1996年にリリースされ、収録曲は全21曲で、全てクリスマスに因んだ、もしくは関連を想起させる曲ばかりで構成されています。

バックはピアノトリオや管楽器、ギター等の入ったカルテットやクインテット等小編成 コンボ・スタイル中心では無く、収録曲の殆どはバーブラ・ストレイサンド等著名歌手の多くのアルバムでアレンジを手掛けてきた実力派編曲家ピーター マーツのアレンジと彼の率いるオーケストラと言う豪華なもの。

 

一曲目の 「ザ クリスマスソング :The Christmas Song」は、往年の男性ジャズヴォーカリスト兼作曲家のメル・トーメが、当時プロデューサー兼作曲家として活躍していたボブ・ウエルズと1944年に共作し、その2年後にリリースされた男性ジャズヴォーカルの大御所 ナット・キングコールのアルバムでの名唱で一躍人気曲になった曲です。

四曲目の「クリスマスを我が家で:I'll Be Home for Christmas」は、作詞はキム・ギャノン、作曲はウォルター・ケントの手による曲で、ビング・クロスビーによって初めてレコーディングされ、1943年にアメリカでリリースされたクリスマス・ソングです。この曲は当時のヒットチャートのトップテン入りをしますが、原曲は、当時第二次世界大戦のため国外の戦線に赴いていて、クリスマスには母国の家に帰りたいと願う兵士たちに敬意を表するために書かれた作品と言われています。以来、アメリカではクリスマス・ソングのスタンダード・ナンバーとなっている様です。 ローズマリーはこの曲を淡々と歌い上げていますが、愛する人達と別れ遠く異国の戦線で絶えず母国を想い兵役に就いている兵士達へ想いをはせ慈愛に満ちた歌い方をしている様に思われます。

このアルバムではその他、アルバムタイトル曲「ホワイトクリスマス;White Christmas」、「赤鼻のトナカイ:Rudolph the Red-Nosed Reindeer」「聖しこの夜:Silent Night」等、いわゆるクリスマス曲の定番は殆ど収録されており、全21曲のどの曲でも、ローズマリー・クルーニーの、原曲のメロディを大切にし、また歌詞も大切にして出来るだけクリアに発音し唄うと言う、良い意味でのお手本的なスタイルでの名唄が堪能出来ると思われますので、当音楽院BarBarBarでジャズヴォーカルのレッスンを受けている方、そしてこれから当院でヴォーカルのレッスンを受けようと思っていらっしゃる方に、このアルバムを特にこの時期に参考用にお薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

1.The Christmas Song 2. Let It Snow 3.Joy To The World 4. I'll Be Home For Christmas 

5. It's The Most Wonderful Time Of The Year 6. Have Yourself A Merry Little Christmas 

7. Christmas Love Song 8. The First Noël 9. Winter Wonderland 

10.Christmas Time Is Here 11. Christmas Mem'ries 12. Rudolph The Red Nosed Reindeer 

13. The Spirit of Christmas 14. Santa Claus Is Coming To Town  

15. Count Your Blessings (Instead Of Sheep) 16. O Little Town Of Bethlehem 17. The Christmas Waltz

18. White Christmas 19. Silent Night  20. Sleep Well, Little Children 21. Don't Wait Till The Night Before Christmas
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