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2019.01.14スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・器楽編~べニー・ゴルソン”ターニング・ポイント(Turning Point)”

今月のお薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、テナーサクソフォンの巨匠で、89歳になった現在もいまだに精力的に演奏活動を行っているベニー・ゴルソンが、これ迄70年近い長年のキャリアの中で発表して来た数多いリーダー・アルバムの内から、1962年にリリースした「ターニング・ポイント:Turning Point」を選びご紹介したいと思います。

ジャズ テナーサクソフォン奏者のベニー・ゴルソンは1929年にUSAペンシルバ二ア州フィラデルフィアに生まれました。音楽を愛好する家族の下で育ち、9歳でピアノを始めて14歳の時にサクソフォンに転向。その後は目覚しい才能を発揮し、高校時代から演奏活動を早くも開始し、ハワード大学に進学して卒業後はブル・ムース・ジャクソンのリズム&ブルースバンドに参加。このバンドに属していたジャズ ピアニストで、初期モダンジャズのビバップの分野において作曲家・編曲家としての重要な業績を残した人物であるタッド・ダメロンから大きな影響を受けました。

1953年以降はタッド・ダメロンのバンドに参加したほか、著名なジャズ・ヴィブラフォン奏者ライオネル・ハンプトンのビッグ・バンドや、デューク・エリントン楽団の名サクソフォン奏者として知られるジョニー・ホッジスのバンドで演奏して経験を積み、また一時は、トランペッターでビバップの創始者の一人であるディージー・ガレスピー率いるビッグバンドに加わったりもしましたが、58年にその後のキャリアの中で大きな転機となる、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの一員となります。

作曲家・編曲家としてもジャズ界に貢献していたタッド・ダメロンから既に大きな薫陶を受けていたベニー・ゴルソンは、特にジャズ・メッセンジャーズ加入後は、ジャズ テナー・サクソフォン奏者としてだけでなく、作・編曲家としての才能も大きく開花させ「アイ・リメンバー・クリフォード」や「ウィスパー・ノット」「ブルース・マーチ」「キラー・ジョー」「ファイブ・スポット アフター ダーク」など、その後のジャズ・スタンダードとなる名曲を8曲も生み出しました。8曲ものスタンダード曲を作曲した存命のアーテイストは、今ではベニー・ゴルソン唯一人と言われています。

これらベニー・ゴルソンが作曲した曲はジャズ・スタンダードの名曲として、これ迄世界中の数え切れないアーティストにより頻繁に演奏され、今でもこれらの曲を収録したCDやレコードが数多く発売されています。

その後もベニー・ゴルソンは現在に至るまで、70年近いアーティストとしての活動の中で、これ迄30以上のレコード・CDをUSAやヨーロッパのレーベルから発表している他、他のアーティストのための作曲・編曲活動も続けています。          これ迄に、カウント・ベーシー、ジョン・コルトレーン、マイルス・デイビス、ディージー・ガレスピー、ベニー・グッドマン、ライオネル・ハンプトン、エラ・フィッツジェラルド、アニタ・オデイ等の数多くのジャズ・アーティストや、ジャズ以外のジャンルでも、アニマルズやダスティン・スプリングフィールド等様々なジャンルのアーティストへ、作曲家・編曲家としての作品を提供して来ました。

またこれらアーティストへの作品提供の他にも、ベニー・ゴルソンは更に作曲家・編曲家としての活動の幅を拡げ、「鬼警部アイアン・サイド」や「M*A*S*H」等の人気テレビドラマや映画の音楽、そしてシボレーやクライスラー、カナダドライ、ジレット等世界的なブランドのCMの世界へも、数多くの作品を提供して来ました。

一時期はこの様に作曲家・編曲家としての活動に傾注していたベニー・ゴルソンですが、1970年代中期にはジャズ界での本格的活動を再開。1983年にはジャズ・トランペット奏者アート・ファーマーとの双頭コンボ「ジャズテット」の再結成も行ない、世界中のジャズ・ファンから歓迎されました。

その後も定期的にアルバムも発表している他、現在も89歳の現役アーティスト!として、例えば2019年1月は8回ものライブ公演がブッキングされる等、依然精力的な演奏活動を継続しています。

余談になりますが、ベニー・ゴルソンは2004年に封切りし、世界的にヒットしたスティーヴン・スピルバーグ監督の映画『ターミナル』に、トム・ハンクス演じる主人公の父親が憧れていた偉大なジャズプレイヤーの一人、ベニー・ゴルソンとして本人の名前で出演しています。

今回ご紹介する「ターニング・ポイント(Turning Point)」は、べニー・ゴルソンが数多くの著名アーティストとの共演やアルバム制作で最も多忙だった時期に録音・制作されたものです。

 

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Benny Golson


ベニー・ゴルソン


Turning Point


ターニング・ポイント 


 

1962年に録音、発表されたこのアルバムは、ダイナ・ワシントンやエロル・ガーナー等のジャズ・アーティストのアルバムや、ファンク等当時の新ジャンルも手がけ始めていた大手レコード・レーベル マーキュリー(Marcury)からリリースされました。

アルバム・タイトル「ターニング・ポイント:Turning Point」は、ベニー・ゴルソンが、このアルバムのプロデューサーの方針等に納得出来ず、また当時頻繁に行っていたアート・ファーマーとの共演活動でも納得の行かない部分が出て来ており、その結果、ベニー・ゴルソン自身が自分の出したいサウンドが分からなくなったと言うフラストレーションを感じており、そのために、このアルバムを機会に、今までとは違った新たな方向で演奏活動をして行くための転換期=ターニング・ポイントにしたいと言う想いを持ったことを暗示していると言われています。

このアルバムではベニー・ゴルソンの数多いリーダー・アルバムの中では珍しく、トランペットやトロンボーン等の他の管楽器奏者を迎え、ベニーの編曲による絶妙なハーモニーによる多管編成の演奏を聴かせるというものではなく、全編ジャズ・ピアノトリオをバックに、べニー一人がテナーサクソフォンを演奏するというものです。

共演のピアノ・トリオは、ピアノには当時マイルス・デイビスのグループで数多い名盤制作に参加し、既に30代前半で名声を確立していたウイントン・ケリー、そしてベースにはポール・チェンバース、ドラム ジミー・コブと、同じくマイルスのグループで共演して来たメンバーによる、当時としては最高峰と言われる布陣による編成となっています。

収録曲は、ステラ・バイ・スターライト(Stella by Starlight)やアローン・トゥギャザー(Alone Together) 等のスタンダード曲や、アルバム・タイトル曲ターニング・ポイント(Turning Point) 等、ベニー・ゴルソンのオリジナル曲等、様々な曲想の全七曲となっています。

当BarBarBar音楽院でジャズ・サクソフォンのレッスンを受けている方、これから当院でサクソフォンのレッスンを受けようと思っていらっしゃる方、そしてサクソフォン以外の楽器の方でも、例えばバックを務めるウイントン・ケリーやポール・チェンバースら、ジャズの歴史に名を残したアーティスト達の最も脂の乗り切った時期での演奏を聴きたいと思われている方にも、このアルバムを参考用にお薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  •  How Am I to Know

  •  The Masquerade Is Over

  • Dear Kathy

  • Three Little Words

  • Turning Point

  • Stella by Starlight

  • Alone Together


 
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