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2019.01.17スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・ヴォーカル編~ディー・ディー・ブリッジウォーター”トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー”

今月のジャズ・ヴォーカルのお薦めの1枚は、ジャズとミュージカルの両方の世界で幅広く活躍しているディー・ディー・ブリッジウォーターが、これ迄発表して来た数多いアルバムの中から、敬愛するビリー・ホリディに捧げたアルバム「トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー~トリビュート・トゥ・ビリー・ホリデイ」を選びご紹介したいと思います。

ディー・ディー・ブリッジウォーター(本名:デニス・アイリーン・ギャレット)は、1950年にテネシー州メンフィスに生まれました。 高校教師をしながらジャズ・トランペッターとしても活動をしていた父親の影響を受け、早くからジャズやリズム・アンド・ブルースを歌い始め、16歳の時には早くもミシガン州のクラブでロック&リズム・アンド・ブルース・トリオに歌手として参加していました。その後、ミシガン大学に進学してからも音楽活動を続け、19歳の時には自身のジャズバンドと共に当時のソヴィエト連邦へツアー公演を行なっています。

その後、20歳の時に、当時若手ジャズ・トランペット奏者として注目を集め始めていたセシル・ブリッジウォーターと出会い、結婚後はニューヨークに転居。そこで彼女は当時ジャズ・ピアノの分野で大きな人気を博していたホレス・シルヴァーのバンドで歌い始めた他、サド・ジョーンズ/メル・ルイス・ジャズ・オーケストラにもリード・ヴォーカルとして加入。この様に当時の著名人気ジャズ・グループへの参加で輝かしいジャズでのキャリアをスタートさせ、その後もソニー・ロリンズ、ディジー・ガレスピー、デクスター・ゴードン、マックス・ローチ、ローランド・カークといった数多くの著名ジャズ・アーティストとも共演し、着々とジャズ・ヴォーカルの世界で実績を積んでいました。   そして1973年には世界のジャズ・フェスティバルの中では最も有名な一つ、モントレー・ジャズ・フェスティバルに出演を果たし、翌1974年にはファースト・アルバムとなる『アフロ・ブルー(Afro Blue )』をリリースしました。

この様にジャズ・ヴォーカルの世界で着々と実力を付け、名声を確立し始めていたディー・ディー・ブリッジウォーターでしたが、当時はステージで立ちつくして歌うスタイルのジャズの歌手が多い中、「歌って踊る」彼女のパーフォマンスのスタイルはアメリカでなかなか受け入れられなかったことも有り、一時期はミュージカルに活動の主軸を移していました。 ミュージカルの世界では、ブロードウェイ・ミュージカル『ザ・ウィズ』に出演し、良い魔女グリンダ役を演じ、1975年にはミュージカルの世界では最も権威の有る賞と言われるトニー賞助演女優賞を受賞し、1976年に『ザ・ウィズ』はグラミー賞のミュージカル・ショー・アルバム賞を受賞します。その後もミュージカル『ソフィストケーティッド・レディズ(Sophisticated Ladies )』出演で賛辞を受け、その後、フランスに移住した後に、パリやロンドンで公演の有ったミュージカル『レディ・デイ(Lady Day )』でビリー・ホリデイ役で主演を果たし、ミュージカルの世界でも、ディー・ディー・ブリッジウォーターは確実に名声を確立して行きます。

1990年代に入る頃までは、この様にミュージカル界での活動が中心で有ったディー・ディー・ブリッジウォーターですが、その後はジャズ界でも活動を徐々に再開。1990年にはイタリアのサンレモ音楽祭とスイスのモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演し、ジャズのレパートリーを歌い、その4年後には、ジャズ界にデビューした頃に共演し、以降も長年尊敬し続けていたホレス・シルヴァーとの久々のコラボレーションを果たし、アルバム『ラブ アンド ピース(Love and Peace: A Tribute to Horace Silver)』をリリースしました。    また1996年にはサンフランシスコ・ジャズ・フェスティバルに出演。そして1997年にリリースしたエラ・フィッツジェラルドへのトリビュート・アルバム『ディア・エラ(Dear Ella)』が1998年グラミー賞ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞し、1998年のアルバム『ライブ・アット・ヨシズ(Live at Yoshi's) 』も立て続けにグラミー賞にノミネートされました。 ライブ・コンサート活動の方も世界中で積極的に行い、1998年には再度モントルー・ジャズ・フェスティバルに出演を果たしています。

2000年代に入ってからも、復帰したジャズ界での、ディー・ディー・ブリッジウォーターの活躍は目覚ましく、2007年リリースのアルバム『レッド・アース(Red Earth )』はアフリカの音楽の影響を受けており、アフリカ・マリ共和国の多くのミュージシャンが参加し大きな話題を呼び、その2年後の2009年にリリースした、今回ご紹介するビリー・ホリディへのトリビュート・アルバム「トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー~トリビュート・トゥ・ビリー・ホリデイ」では、見事に二度目のグラミー賞ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞しました。

ライブ・コンサート活動の方も引き続き積極的に行っており、アメリカ国内では、2007年には再度サンフランシスコ・ジャズ・フェスティバルに出演した他、ジョン・F・ケネディ・センターでテレンス・ブランチャード・クインテット等の現代ジャズ・シーンを代表するアーティストとも共に演奏しました。世界中でもコンサート活動を頻繁に行ない、2009年には上海ジャズ・フェスティバルのオープニングに出演し、エラ・フィッツジェラルドに関連する曲の他、デューク・エリントンなどジャズのスタンダードを歌いました。

この様にディー・ディー・ブリッジウォーターは、半世紀以上に渡るキャリアの中で、ジャズとミュージカルの両方の世界で活躍し、これ迄に数多くのアルバムを残し世界中に多くのファンが居ますが、今月はその中から、グラミー賞受賞アルバム「トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー~トリビュート・トゥ・ビリー・ホリデイ」をご紹介したいと思います。

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ディー・ブリッジウォーター


Dee Dee Bridgewater


トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー


To Billie with Love from Dee Dee


ディー・ディー・ブリッジウォーターは1986年のミュージカル『レディ・デイ(Lady Day )』でのビリー・ホリデイ役の好演で、高い評価を得てミュージカルの世界でも名声を確立しますが、個人的にも同じジャズ界の先輩歌手としてビリー・ホリデイを長年敬愛しており、2009年に、正しく満を持してその想いをアルバムと言う形にしたのが、この『トゥ・ビリー・ウィズ・ラヴ・フロム・ディーディー』です。               このアルバムでは、ディー・ディーは、長年共演して来たピアニストでアレンジャーのエドベル・ゴメスの助けも借り、聴いて暗くなったり寂しくなったり涙を流したりするものではなく、モダンで喜びに満ちたも、楽しくなるようなものに仕上がることに心がけ、彼女自身が長年持っていた、ビリー・ホリデイの音楽は新しい聴かれ方をされるべきだと言う考えを実現しようとしています。

このアルバムに収録されている「オール・オブ・ミー(All of Me)」や「ドント・エクスプレイン(Don't Explain)」等、全12曲のどの曲もビリー・ホリデイが歌った代表的なスタンダード曲ばかりですが、現代ジャズ・シーンを代表するディー・ディー・ブリッジウォーターの新しい解釈による新鮮な歌われ方がされており、グラミー賞受賞も当然と思われる程の完成度の高いアルバムに仕上がっていると思われます。

当音楽院BarBarBarでジャズ・ヴォーカルのレッスンを受けている方、そしてこれから当院でヴォーカルのレッスンを受けようと思っていらっしゃる方に、この完成度の高いジャズ・ヴォーカルのアルバムを参考用にお薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

1.Lady Sings the Blues

2.All of Me

3.Good Morning Heartache

4. Lover Man

5.You've Changed

6.Miss Brown to You

7.Don't Explain

8.Fine and Mellow

9.Mother's Son-In-Law

10.God Bless the Child

11.A Foggy Day

12.Strange Fruit

 

 
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