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2019.04.09スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・器楽編~ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン”ザ・デュオ~ライブ(The Duo-Live)”

今月のお薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、ジャズ・ベースの世界で、その超絶技巧に裏付けられた革新的奏法で人気を博し、多くの名演奏を残したものの、2005年に58歳で亡くなったニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンが、約40年のキャリアの中で発表して来た数多いリーダー・アルバムや共演・参加アルバムの内から、2000年にライブ録音されたリーダー・アルバム「ザ・デュオ~ライブ:The Duo-Live」を選びご紹介したいと思います。

ジャズ ベース奏者のニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンは1946年にデンマークのシェラン島ロスキレと言う街に生まれました。教会のオルガン奏者で有った父親の影響で、最初はピアノのレッスンを受けていたペデルセンですが、その後ベースに転向し、若干14歳で地元デンマークのジャズ・グループにベース奏者として参加。以来、目覚しい才能を発揮し、17才の時にはアメリカの名門ジャズ・バンド カウント・ベーシー(Count Basie)のオーケストラからの入団のオファーを受けたくらいでした。ただ年齢的なことも有りそのオファーを不本意ながら断念し地元に残った後は、デンマークの首都コペンハーゲンに有る、名門ジャズ・ライブハウスで、デクスター・ゴードンやチェット・ベーカー等数多くの世界的ジャズ・アーティストも出演していたジャズ・クラブモンマルトル( Montmartre )のハウス・ベーシストとして活動する一方、地元のトップ・バンドの一つ、デンマーク・ラジオ・オーケストラ(Danish Radio Orchestra)のメンバーとして演奏を続け、着実に名声を固めて行きました。

その内に、ペデルセンのジャズ・ベース奏者としての名声はアメリカの著名ジャズ奏者の間でも有名になり、多くの奏者が北欧に演奏旅行に来る度にペデルセンとの共演を望む様になり、実際に1960年代に入ってからは、ディジー・ガレスピー、ソニー・ロリンズ、ビル・エバンス、 デクスター・ゴードン、バッド・パウエル、エラ・フィッツジェラルド等のジャズ界をリードしていたアーティスト達と共演しただけでなく、当時前衛ジャズ・サクソフォン奏者として名声を確立し始めていたアルバート・アイラーにさえ、求められて共演を果たしています。

1970年に入ると、ジャズ・ピアノの世界で当時人気奏者の一人で、既にアメリカからデンマークに移住していたケニー・ドリューと本格的に共演を始め、1973年にデンマークのレコード・レーベル スティープルチェイス(SteepleChase)から発売された二人の共演アルバム、デュオ(Duo)は、ペデルセンの当時としてはセンセーショナルな革新的奏法と、ジャズの演奏本来の質の高さで世界的に注目され、多くの評論家をはじめジャズ関係者からも高い評価を集め、ジャズ・ベース奏者ペデルセンの世界的な名声を一層不動のものにしました。ケニー・ドリューとの共演はその後も長く続き、二人の共演は他奏者のリーダーアルバムまで含めるとそのアルバム数は50にも及ぶと言われています。 

ケニー・ドリューとの共演活動の他に、1970年代後半からは、当時世界的に最も人気の有ったジャズ・ピアノのオスカー・ピーターソンのトリオに参加した他、同じくオスカー・ピーターソン等との共演で世界的名声を確立していたジャズ・ギター奏者ジョー・パスとの共演も行い、当時ジャズ界の大物プロデユーサーで有ったノーマン・グランツが新たに設立したアメリカのパブロ・レーベルからこれらアーティストとの共演で多くの名盤を残しています。

この様に世界的なジャズ奏者達との数多くの共演で、国際的な演奏活動を続けていたペデルセンですが、基本的には居を移していたアメリカとデンマークを頻繁に行き来しながら母国での活動を大切にしていた様で、その後も北欧に演奏ツアーに来たもしくは移住して来たアメリカの多くの著名ジャズ奏者との母国での共演活動も続け、「デンマーク音楽史上で最も多くのアーティストから共演を望まれた器楽奏者」と迄言われる様になりました。  生涯、母国での演奏活動に出来るだけ軸足を置こうとしていたペデルセンにとっては一種の名誉ある称号で有ったと思われます。 また母国への想いが強いペデルセンはジャズ・ベース奏者としての忙しい演奏活動の合間に、デンマークの民謡や古くから伝承されている歌曲をジャズ風にアレンジし、地元のアーティストとトリオやカルテットを組んで紹介する活動も行っていました。

今回ご紹介する「ザ・デュオ~ライブ: The Duo-Live」は、ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンが、2000年にインドアでは世界最大のジャズ・フェスティバルのオランダのノース・シー・ジャズ・フェスティバルに、当時ジャズ・ピアノ奏者としての名声を確立しつつ有ったマルグリュー・ミラーを従え出演した際のライブ録音盤で、スタンダード曲中心の構成になっています。

 

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Niels-Henning Ørsted Pedersen


ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセン


The Duo-Live


ザ・デュオ~ライブ


ニールス=ヘニング・エルステッド・ペデルセンが長年居住したアメリカを離れ、母国デンマークに戻った後の2000年に、ノース・シー・ジャズ・フェスティバルに出演した様にライブ録音されたこのアルバムは、長年CD、レコード化されず、2016年になりようやく母国デンマークのレコード・レーベルのストリービル(Storyville)から2枚組のCDとして発売されました。

このライブ録音の企画が持ち上がった際に、ペデルセンが共演者として選んだのが、既にベニー・ゴルソン、トニー・ウイリアムス、ドナルド・バード等数多くの著名アーティストとも共演し、ジャズ・ピアノ奏者としての名声を確立しつつ有ったもの、ペデルセン自身が共演経験の無かった、マルグリュー・ミラー(Mulgrew Miller )です。

しかしそこは、それ迄数多くの経験を積んだ実力派同士。このライブ録音盤では一曲目の「ウイスパー・ノット」の演奏から、ペデルセンがミラーを敢えて選んだ目の確かさが感じられるのではと思います。そして二曲目以降、収録9曲全てに於いて、ミラーがピアノの音をまるでペデルセンの意図を確かめるかの様に徐々に出して行き、それにペデルセンが呼応して、最後は相互に触発しながら演奏を進めると言う、文字通りインタープレイの世界が作られて行く様子を楽しむことが出来ると思います。

収録曲は、「ウイスパー・ノット(Whisper Not)」や「A列車で行こう(Take the A Train)」「オール・ザ・シングス・ユー・アー」そして「枯葉(Autumn Leaves)」等スタンダード曲ばかり全9曲となっています。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・ミュージシャンの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・ベースやジャズ・ピアノのレッスンを受けている方、そしてこれから当院でレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはスタンダード曲中心の名手二人によるライブ演奏の収録盤ですので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  •  Whisper Not

  •  Sophisticated Lady

  • Mood Indigo

  • All the Things You Are

  • Take the A Train Disc

  • I'm Old Fashined

  • In My Solitude

  • Autumn Leaves

  • Caravan


    
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