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2019.05.21スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・ヴォーカル編~クリス・コナー「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド」

今月のジャズ・ヴォーカルのお薦めの1枚は、1950年前半から1990年代後半まで約半世紀近くにわたり、ジャズ・ヴォーカル界の人気アーティストとして活動したクリス・コナーがその長いキャリアを通し発表した40枚以上のアルバムの中から、最高傑作と多くのファンやジャズ評論家から支持されて来た代表的アルバムで、タイトル曲を始め、ジャズ・ヴォーカルの定番的なスタンダード曲を中心に、全14曲収録された「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド」を選びご紹介したいと思います。

クリス・コナーは1927年にミズリー州カンザスシティで生まれました。14歳の時に母親を亡くした関係で、結婚していた姉の家に引き取らるなど、やや不遇の少女時代を過ごしましたが、習っていたクラリネットは中学校、高校時代も演奏をし続けていました。しかし大学時代に卒業式で歌を披露する機会が有り、その時に聴衆の反応が良かったことを契機に、歌手の道を本格的に目指すことになったと言われています。

そして歌手になることを決意したクリス・コナーは、最初は昼間は速記者として働き生計を立てながら、週末の夜は地元カンザスシティ周辺で歌うことを始め、その後はミズリー州立大学のカレッジ・バンドを始めいくつかの地元のバンドの活動に歌手として同伴し歌うなど、徐々に活動の幅を拡げていきます。

そして1948年には、クリス・コナーは更に歌手としてのキャリアの高みを求め、意を決してニューヨークに移住します。ニューヨークでの最初の7週間で、昼間の速記者としての仕事は見つかりますが、歌手の仕事を見つけることはなかなか出来ずに所持金は底を尽き、滞在したホテルから宿泊料金の滞納を理由に、着の身着のままで追い出させると言う過酷な目に遭います。しかし正に捨てる神あれば拾う神ありで、その時、クリスは当時人気の有ったクロード・ソーンヒル楽団のマネージャーと出会い、その楽団専属ヴォーカル・グループ”スノー・フレイクス”が新たに歌手を募集していることを教えられます。直ぐに受けたオーディションで、クリス・コナーは見事合格。その後は一気に運が開けたかの様に、ソーンヒル楽団と全米ツアーやレコーディングの仕事を行ない、歌手としての道を着実に歩んで行きます。

その後、ソーンヒル楽団の他にも、いくつかのビッグ・バンドで歌うことも有ったクリス・コナーですが、1953年に更に大きな転機が訪れます。 その頃、ニューヨーク市内の或るホテルで歌っているクリスを生中継していたラジオの番組を偶然聴いていた、当時全米で最も人気の有ったジャズ・バンドの一つのスタン・ケントン楽団の専属歌手ジューン・クリスティが、クリスの歌唱に感銘を受け、その後、同楽団を退団することになった際に、自分の後任として、クリス・コナーをリーダーのスタン・ケントンに推奨することになります。そしてスタン・ケントンのオーディションに合格したクリス・コナーは直ぐに同楽団の専属歌手としてツアーやレコーディングに参加し、更にジャズ・ヴォーカリストとしてのキャリアを着実に重ねて行きます。しかしスタン・ケントン楽団での絶え間ないツアーや毎晩続く演奏活動に疲れ果て、その年の夏に早くも同楽団を退団します。

退団後にニューヨークに戻ったクリスは、それ迄の様に楽団の専属歌手ではなく、独立したソロ歌手としての活動を本格的に続けるために、自分専属のマネージャーを雇いますが、そのマネージャーのモンテ・カイが早々に、ニューヨークの名門ジャズ・ライブ・ハウスの一つの’バードランド’での歌唱の仕事を探し出してくれます。

そこで歌っていた有る夜に、客として来店していたベツレヘム・レコードのオーナーのガス・ウィディが彼女の歌唱に感銘を受け、レコーディング契約の申し出をします。そして同レコードと契約したクリスは、1954年以降、今回ご紹介する「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド」を始め、「シングス・ララバイズ・フォー・ラバーズ」や「クリス」等を立て続けに録音、発表しますが、これらのアルバムは全て人気を博し、売れ行きも好調で、26歳にしてクリス・コナーは同レコードで最もそのアルバム売上が多い契約アーティストになります。

1955年に同レコードとの契約が終了した後は、アトランティック・レコードと契約しますが、同レコードとの契約時代に、クリスはジャズ・トランペットのメイナード・ファーガソン、ジャズ・ギターのケニー・バレル、ジャズ・ピアノのハンク・ジョーンズ、そしてジャズ・サクソフォンのズート・シムズ、アル・コーンら、ジャズ界の著名アーティストと共演を重ね、アルバムの共同制作活動を行ない、更にジャズ・ヴォーカルの分野での名声を高めて行きました。

その後もクリスは、独立後に初めて自分専属マネージャーを務めてくれたモンテ・カイが設立したFMレコードを始め、いくつかのレコード会社と契約して活動を続け、精力的にアルバムを録音・発表。 またその間、1969年には初来日を果たし、その後も何回か来日して、日本のレコード・レーベルのアルファ・レコードからもアルバムをいくつか発表しています。

2000年代初頭までアルバムを発表したり、コンサートで歌う等、積極的に活動を続けていましたが、その後 癌を発病し、2009年8月にニュージャージー州で81年の生涯の幕を閉じました。

この様にクリス・コナーは、50年近くに及ぶ長いキャリアの中で、常にジャズ・ヴォーカル界の代表的歌手として数多くのアルバムを残し世界中に多くのファンが居ますが、今月はその中から、最高傑作と多くのファンやジャズ評論家から評価、支持されて来た代表的アルバム「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド(Sings Lullabys Of Birdland)」を選びご紹介したいと思います。

 

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クリス・コナー


Chris Connor


シングス・ララバイズ・オブ・バードランド


Sings Lullabys Of Birdland 


スタン・ケントン楽団を辞してソロ歌手として最初に契約したベツレヘム・レコードから初めて発表したのが今回ご紹介する「シングス・ララバイズ・オブ・バードランド」です。

このアルバムではスタンダード曲を中心に全14曲が収録されていますが、タイトル曲の「ララバイズ・オブ・バードランド(Lullabys Of Birdland )」は、「バードランドの子守歌」と言う邦題で、日本でも良く知られたスタンダード曲で、多くのジャズ・ヴォーカリストが歌っていますが、やはりこのクリス・コナーの歌唱がお手本となる、代表的なものとジャズ界では言われている様です。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・ヴォーカルのレッスンを受けている方、そしてこれから当院でジャズ・ヴォーカルのレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. Lullaby of Birdland

  2. What Is There to Say

  3. Try a Little Tenderness

  4. Spring Is Here

  5. Why Shouldn't I

  6. Ask Me

  7. Blue Silhouette

  8. Chiquita

  9. A Cottage for Sale

  10. How Long Has This Been Going

  11. Stella by Starlight

  12. Gone with the Wind

  13. He's Coming Home

  14. Goodbye


 
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