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2019.07.31スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・ヴォーカル編~セシル・マクロリン・サルヴァント「フォー・ワン・トゥ・ラヴ」

今月のジャズ・ヴォーカルのお薦めの1枚は、まだ20代後半の若さながら、現在ジャズ・ヴォーカル界で最も注目されている一人 セシル・マクロリン・サルヴァントが、デビュー以来発表して来た5枚のアルバムから、2015年に発表した「フォー・ワン・トゥ・ラヴ(For One to Love)」を選びご紹介したいと思います。

セシル・マクロリン・サルヴァントは1989年にフロリダ州マイアミで生まれました。彼女の父親はハイチからの移民で医者をしており、母親はフランス人の教育者でしたが、両親は共に音楽愛好家で、セシルの幼少期は家の中では父親の故郷ハイチの音楽をはじめ、アメリカ各地を移住しながら育った母親の影響で全米各地の様々なスタイルのジャズ、そしてアフリカ音楽、米南部の音楽、クラシック、R&B、ポップ等が絶えず流れていると言う音楽的に非常に恵まれた環境だった様です。その様な中、セシルは5歳からピアノを学び、8歳からクラシックの合唱を始め、やがて将来はオペラ歌手を目指すようになります。そして19歳になった2007年には、母親の故郷フランスに移り住み、エクス=アン=プロヴァンスにあるダリウス・ミヨー音楽院に入学しました。

このダリウス・ミヨー音楽院で、セシル・マクロリン・サルヴァントはクラシックの声楽とバロック音楽の合唱、そしてジャズ・ヴォーカルを学ぶことになりました。入学した時点では、小さい頃からの夢のオペラ歌手になりたいと依然思っており、ジャズはあくまでも趣味の範疇の様なもので、本人はジャズ・ヴォーカリストになるとは思っていなかった様ですが、しばらく経った頃には音楽院でジャズの教科を教えていた指導者の一人のジャズ・リード奏者ジャン=フランシス・ボネルが『あなたの娘さんは絶対にジャズ・ヴォーカリストとして成功する』とセシルの母親に伝えるほどに、当時から既にジャズ・ヴォーカルでの才能を発揮していた様です。

ジャズ以外のジャンルでも、フランスに留学する前まではエディット・ピアフ以外はシャンソンのことも、シャンソン歌手のことも知らなかったセシルですが、音楽院の同級生の影響を受けながら、バルバラ等のシャンソン歌手にも興味を示してアルバムも聴く様になり、徐々に音楽性を拡げています。またこの頃は作曲にも興味を持ち、オリジナル曲を作るための勉強も同時に行っていた様です。

またジャズの方では、1920年代半ばにアメリカからフランスに渡り、パリの人気を博したジャズ歌手兼女優のジョセフィン・ベイカーの音楽に興味を持ち憧れる一方、幼少時代から繰り返し家の中で聴いていたサラ・ヴォーンやビリー・ホリディ、べティ・カーター等のジャズ・ヴォーカルのレジェンド達の影響を強く受けながら、ジャズ・ヴォーカルを学んで行きます。

その内にセシル・マクロリン・サルヴァントはロンドンのロニー・スコットやニューヨークのヴィレッジバンガード等、ヨーロッパやアメリカの著名クラブ、コンサートホール、そして著名アーティスト達が参加する音楽フェスティバルに出演し、ジャズ・ヴォーカリストとしての活動を本格的に行う様になります。またこの頃には、サクソフォン奏者渡辺貞夫との共演の為に初来日も果たしています。
そして2010年には音楽院の恩師ジャン=フランシス・ボネルとのコラボレーションで最初のアルバム「CécileJeanFrançoisBonnel Paris Quintet」をリリース。その後 21歳の時には、ジャズ・アーティストの登竜門の一つで有る、セロニアス・モンク国際ジャズコンクールのヴォーカル部門で見事に優勝を果たし、Mack Avenue Recordsというジャズ・レコード・レーベルとのレコーディング契約も獲得します。そして2013年にセシルは二枚目のアルバム「ウーマン・チャイルド(WomanChild)」をMack Avenue Recordsからリリースしましたが、そのアルバムは2014年のグラミー賞にノミネートされる程、ジャズ界では評価されました。この「ウーマン・チャイルド(WomanChild)」に収録された曲にはセシル自身が作曲した曲も含んでいました。 そして2015年秋にはMack Avenue Recordsからの2枚目のアルバム、「フォー・ワン・トゥ・ラヴ(For One to Love)」をリリースしましたが、 2016年にこのアルバムはベストボーカルジャズアルバム部門でグラミー賞を見事受賞しました。また その2年後にも同じくMack AvenueRecordsから発表した「ドリームス・アンド・ダッガーズ(Dreams and Daggers)」でも同部門でグラミー賞を受賞の快挙を果たしました。

今月は、この様にまだ20代後半の若さながらグラミー賞を2回も獲得する他、欧米を中心に世界のジャズ・シーンで高い注目を集め、ジャズ・ヴォーカル界の言わばスターダムに駆け上がったセシル・マクロリン・サルヴァントが、これまで発表した5枚のアルバムの内から、2013年24歳の時に発表し、翌年のグラミー賞を受賞したアルバム「フォー・ワン・トゥ・ラヴ(For One to Love)」を選びご紹介したいと思います。

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セシル・マクロリン・サルヴァント


CÉCILE McLORIN SALVANT


フォー・ワン・トゥ・ラヴ


For One to Love 


21歳の時にセシル・マクロリン・サルヴァントはセロニアス・モンク国際ジャズコンクールのヴォーカル部門で優勝し、副賞としてジャズ・レコード・レーベルMack Avenue Recordsとのレコーディング契約も獲得しましたが、そのレーベルからの2枚目のアルバムとして2015年秋に発表したのが今回ご紹介する「フォー・ワン・トゥ・ラヴ(For One to Love)」です。

このアルバムは2016年のベストボーカル ジャズアルバム部門でグラミー賞を見事受賞しました。このアルバムではセシル・マクロリン・サルヴァントは強い女性、女性の自立心と言う観点から収録曲を選んだということで、5曲の彼女自身の作品と7曲のミュージカルの曲やジャズスタンダード曲が収録されています。そして共演はジャズ・ピアニストで、セシルと同様に20代前半でリーダー・アルバムを発表する等、早くから注目を集めて来たアーロン・ディールが率いるトリオです。このトリオは2017年のセシルの2回目の日本ツアーを始め、世界各国でのツアーでも共演をしています。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・ヴォーカルのレッスンを受けている方、そしてこれから当院でジャズ・ヴォーカルのレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、この新進気鋭のジャズ・ヴォーカリスト セシル・マクロリン・サルヴァントのグラミー賞受賞アルバムを参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. Fog

  2. Growlin' Dan

  3. Stepsisters' Lament

  4. Look at Me

  5. Wives and Lovers

  6. Left Over

  7. The Trolley Song

  8. Monday

  9. What's the Matter Now?

  10. Le mal de vivre

  11. Something's ComingS

  12. Underling

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