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2019.09.18スタッフブログ

今月のお薦めの1枚:ジャズ・器楽編~ “Blues-ette”

今月のお薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、ジャズ・トロンボーンの巨匠の一人と称され、84歳の今でも現役として活動をしているカーティス・フラーが、60年以上にも渡る演奏活動の中で発表して来た30枚以上のアルバムから、代表作の一つで、カーティス・フラーの名声を確立したと言われる「ブルースエット(Blues-ette)」を選びご紹介したいと思います。

カーティス・フラーは、1934年にミシガン州デトロイトで生まれました。ジャマイカからの移民の両親と幼少の頃に死に別れ孤児になったのですが、デトロイトの学校時代に偶然に同窓で後に名ジャズ・ベース奏者となるポール・チェンバースと実力派トランペット奏者として名声を博すドナルド・バードが居て、知り合うという幸運に恵まれます。1953年から1955年の3年間は軍隊に在籍し、除隊後は同郷デトロイト出身ジャズ・サクソフォン奏者ユーゼフ・ラティ―フに誘われ、彼のクインテットに参加し、本格的にプロ・デビューを果たします。 その後1957年にこのクインテットはメンバー全員がニューヨークに進出することになりますが、同年にはカーティス・フラーは早くも当時の有力ジャズ・レコード・レーベルのプレスティッジ・レコードからのオファーを受け、初リーダーアルバム「ニュー・トロンボーン (New Trombone)」を録音・発表しました。

その後、1950年代後半のプレスティッジ・レコードから発表されたジャズ・トランペットの巨匠マイルス・ディビスの幾つかのリーダー・アルバムでのカーティスのトロンボーン演奏を聴いて感銘を受けた、ブルーノート・レコード・レーベルの共同創設者のアルフレッド・ライオンから誘われ、同レーベルでも、いくつかのアルバムでリーダーやサイドメンとしての録音を残し、特にジョン・コルトレーンのリーダー作である名作『ブルー・トレイン』でのトロンボーン演奏は高い評価を受け、更に名声を確立することになりました。そして1959年には今回ご紹介するリーダー・アルバム「ブルースエット(Blues-ette)」を、サボイ・レーベルのために録音・発表しています。

また演奏活動の方でも1959年にはアート・ファーマーやベニー・ゴルソンらと共にジャズテットのメンバーとして活動し、1961年から1965年にはアート・ブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズに所属し、これら二つのジャズ史に残る名バンドでの参加で、カーティス・フラーはジャズ・トロンボーン奏者としての名声、人気を不動のものにしました。

1960年代に入りブルーノート・レーベルとの契約が終了すると、カーティス・フラーはインパルス・レーベルと契約し、ここでも「ソウル・トロンボーン (Soul Trombone)」と「キャビン・イン・ザ・スカイ (Cabin in the Sky)」と言う、後にジャズ・トロンボーンの名盤として評価されるリーダー・アルバムを残しました。 演奏活動の方でも、1960年代後半はデイジー・ガレスピーバンドに参加した他、カウント・ベイシーともツアーで共演し、またこの頃、ジャズテット時代の元同僚アート・ファーマーやベニー・ゴルソンとの再共演も果たしています。

1970年代以降も、カーティス・フラーは精力的に10枚以上のリーダー・アルバムを発表して来ており、特に1982年にヨーロッパのレコード・レーベル タイムレスのために録音した「ミーツ・ローマ・ジャズ・トリオ (Curtis Fuller Meets Roma Jazz Trio )」と言うアルバムは、イタリアのジャズ・ピアニスト ダニーロ・レアが率いるローマ・ジャズ・トリオとの共演で、しかもジョン・コルトレーン作曲で、コルトレーン同様にモード手法を好んだ採り入れるアーティスト達にしばしば演奏されて来た斬新なイメージの「インプレッションズ(Impressions)」や「ネイマ(Naima)」を収録曲にする意欲作でジャズ界の注目を集め、このアルバムで共演したトリオのメンバーは現在ではイタリアを代表するアーティストになっています。

また1993年には、34年前に発表した今回ご紹介するリーダー・アルバム「ブルースエット(Blues-ette)」の続編的なアルバム「ブルースエット パートII(Blues-ette PartII)」を、ベースが既に逝去していたジミー・ギャリソンがレイ・ドラモンドに代わった以外は、オリジナル・アルバムと同じメンバーで録音し発表し、ジャズ界で再び大きな注目を集めました。

長年のジャズ界への貢献を称えられ、カーティス・フラーは1992年にはバークリー音楽大学から名誉音楽博士号を授与され、そして2007年には全米でも最も権威の有るジャズ界の賞の一つと言われ、過去にはカウント・ベーシーや、ジャズ・ベース奏者レイ・ブラウンも受賞した「NEAジャズマスター」にも選ばれました。またニューヨーク州が主催するサマースクール the New York State Summer School of the Arts (NYSSSA) でも地元高校生対等ににジャズ演奏の指導を行なう等、後進育成も近年では積極的に行っています。

今回ご紹介する「ブルースエット(Blues-ette)」は、カーティス・フラーが1955年軍隊除隊後に本格的プロデビューを果たした1950年代を締めくくるかの様に、1959年にサボイ・レーベルのために録音・発表したアルバムで、当時25歳の若いリーダー カーティス・フラーを支えるかの様に、カーティスよりも年長の実力派アーティストが脇を固めた演奏が収録されており、発表以来半世紀以上経った今でも、ジャズ・トロンボーン界だけでなく、ジャズ界全体での名盤の一つと称されています。


 

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Blues-ette


ブルースエット


Curtis Fuller


カーティス・フラー


このアルバムでは、カーティス・フラーよりも1世代、2世代上の4人のアーティスト、ジャズ・サクソフォン奏者でジャズテットやジャズ・メッセンジャーズでの同僚ベニー・ゴルソン、ジャズ・ピアニストで、多くのリーダーとしての活動だけでなく、ジョン・コルトレーンやソニー・ロリンズ、そしてジャズ・ヴォーカルのレジェンド エラ・フィッツジェラルドの共演でも知られるトミー・フラナガンの他、ベースはジョン・コルトレーンの黄金期カルテットのベーシストとして有名なジミー・ギャリソン、ドラムは当時ジャズ界で高い注目を集めていたベニー・ゴルソン カルテットのドラマー アル・ヘイウッドと言う豪華な布陣が共演しています。


収録曲は、名ジャズ・ハーモニカ奏者トゥーツ・シールマンス作曲のアルバム・タイトル曲「ブルースエット(Blues-ette)」を始め、ベニー・ゴルソン作曲の名曲ファイブスポットアフターダーク(Five Spot After Dark)」やスタンダード曲「アンデサイディッド(Undesiced)」「Love Your Spell is Everywhere等全6曲です。


BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・トロンボーンを始め、ジャズ・サクソフォン、ジャズ・ピアノ、ジャズ・ベース、ジャズ・ドラム等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはジャズ史に残るアーテイストばかりによる演奏が収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. "Five Spot After Dark"

  2. "Undecided"

  3. "Blues-ette"

  4. "Minor Vamp"

  5. "Love Your Spell Is Everywhere"

  6. "Twelve-Inch" -


 

 
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