営業時間12:00~23:00

BarBarBar音楽院 045-681-5667

for Students
お知らせ

2019.11.18スタッフブログ

今月お薦めの1枚: ジャズ・ヴォーカル編~モニカ・ゼタールンド「ワルツ・フォー・デビィ」

今月のジャズ・ヴォーカルのお薦めの1枚は、1950年代後半にジャズ・シーンにデビュー後、瞬く間に人気ヴォーカリストになり、ルイ・アームストロングやスタン・ゲッツ等ジャズ界の著名アーチスト達と次々と共演を果たし活躍したスウェーデン出身のジャズ・ヴォーカリスト モニカ・ゼタールンドが、ジャズ・ピアノの巨匠の一人ビル・エヴァンスと共演し制作・発表した「ワルツ・フォー・デビィ(Waltz for Debby)」を選びご紹介したいと思います。


モニカ・ゼタールンドは1937年に、スウェーデン中部地方にあるハーグフォシュという小さな町で生まれました。幼い頃から家庭の中では絶えずジャズが流れている環境だった様で、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルドそして特にサラ・ヴォーンを聴きながら育ちます。聴くだけではなく、自分でも歌いたいとラジオやレコードから流れて来るジャズ・ヴォーカルを聴き独習を始めるをものの、最初は英語が分からないまま、メロディ、リズムやフィーリングだけを真似ていた様です。

プロとしての活動を開始した当初は、地元スウェーデンのシンガーソングライターや作曲家の作品も歌っていた様ですが、モニカ・ゼタールンド21歳になった1958年には「The Things We Did Last Summer」「Spring Is Here」「Easy Living」「My Old Flame」等、多くのジャズ・スタンダード曲を収録したデビュー・アルバム「Swedish Sensation」を発表。 それ以降、本格的にジャズ・ヴォーカリストとしての活動を続ける様になります。モニカ・ゼタールンドのハスキーな中にも伸びやかな声や、程よいグルーブ感の中にも安定感の有る歌唱は、徐々にアメリカ・ジャズ界の著名アーティストの目に止まる様になります。

そしてジャズ・トランペット&ヴォーカルの大御所ルイ・アームストロングやジャズ・サクソフォンの巨匠の一人スタン・ゲッツ、そして著名ジャズ・アレンジャークインシー・ジョーンズ等との共演を重ねた他、ジャズ・ピアニスト ビル・エバンスとは今回ご紹介するアルバム「ワルツ・フォー・デビィ(Waltz for Debby)」、ジャズ・ピアニスト スティ―ブ・キューンとはアルバム「チキン・フェザーズ(Chicken Feathers )」、著名ジャズ・ビッグバンド サド・ジョーンズ&メル・ルイスオーケストラとはアルバム「It Only Happens Every Time 」等、数々の共演アルバムを制作・発表していきます。


この様にアメリカのジャズ・アーティスト達との共演を重ねる一方、出身地の北欧のGeorg Riedel、Egil Johansen、Arne Domnérus、Svend Asmussen、Jan Johansson等の実力派ジャズ・アーティスト達との共演も続け、同じ北欧ノルウェー出身ジャズ・ヴォーカリスト カリーン・クローグと共に北欧ジャズの顔と言われる存在にまでなります。 特に地元スウェ―デンでは、最高のスウェーデン女性シンガーの一人として数多くのシンガーの尊敬を集めます。またこうした地元での多大な人気を背景に、ジャズ・ヴォーカリストとしての活動の他に、女優業にも活動の場を拡げ、1964年に発表された「Swedish Portraits 」や「Docking the Boat」 を始め累計で10もの映画に出演しています。

そして、その後もジャズ・ヴォーカリストとしての多くのアルバムを発表する一方、世界中への演奏ツアーも続け、国際的に活動をしていましたが、酷い脊柱側彎症を患っていたため、1999年62歳の時に早くも引退を余儀なくされました。

その後は母国スウェーデンの首都ストックホルムで車椅子での生活を送っていましたが、2005年の5月に自宅マンションで発生した火災で非業の死を遂げることになります。享年67歳。

しかし没後も母国スウェーデンでは人気が衰えることはなく、2014年にスウェーデンで制作・発表された、モニカ・ゼタールンドの半生を描いた映画「ストックホルムでワルツを」は国際的に公開され日本でも上映されましたが、スウェーデンのアカデミー賞にあたるゴールデン・ビートル賞で監督賞、主演女優賞など4部門を受賞した他、人口950万人のスウェーデンで50万人以上の観客を動員し、改めて同国でのモニカ・ゼタールンドの人気の高さを証明することにもなりました。

今月は、この様にデビュー以来、ジャズ・ヴォーカリストとして、多くの著名ジャズ・アーティストとの共演を通じ着々と実績を積み、代表的な北欧出身ジャズ・アーティストの一人にまで駆け上がったモニカ・ゼタールンドが、当時多大な人気を博していたジャズ・ピア二スト ビル・エヴァンスと共演し、1964年に発表された「ワルツ・フォー・デビィ(Waltz for Debby)」を選びご紹介したいと思います。

 

無題


モニカ・ゼタールンド


Monica Zetterlund


ワルツ・フォー・デビィ


Waltz for Debby


このアルバムはモニカ・ゼタールンドが生涯残した20枚のアルバムの内、デビュー以来4枚目のアルバムになり、アメリカの名門ジャズ・レーベルの一つ ヴァ―ブ・レコード(Verve)から発売されました。

共演のジャズ・ピアニスト ビル・エヴァンスは、1950年代のマイルス・ディビスのバンドでの演奏活動を通し、革新的な奏法のピアニストとしてジャズ界での大きな注目を浴び、マイルスのもとを離れ独立した後も、ベース スコット・ラファロ、ドラム ポール・モチアンと言う稀代の名手と共にピアノ・トリオを結成し、次々と後に名盤と呼ばれる様になるアルバムを制作・発表していました。このアルバムでの、モニカ・ゼタールンドのややハスキーな声質の歌唱とビル・エヴァンスの斬新なコードワーク等による革新的なピアノは、多くのジャズ評論家から完璧なマッチングとまで言われ、高い評価を確立することになります。

収録曲は共演のビル・エヴァンスが作曲し、自己のトリオで初めて発表した曲に歌詞を付けたアルバム・タイトル曲の「ワルツ・フォー・デビィ(Waltz for Debby)」を始め、「Come Rain or Come Shine」「Once Upon a Summertime」「It Could Happen to You」「Some Other Time」等のジャズ・スタンダード曲も多く収録されています。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・ヴォーカルやジャズ・ピアノ等のレッスンを受けてけている方、そしてこれから当院でのレッスンを受けようと思っている方には、このアルバムはジャズ・スタンダード曲も多く選曲され収録にされていますので、参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. Come Rain or Come Shine

  2. A Beautiful Rose 

  3. Once Upon a Summertime

  4. So Long Big Time

  5. Waltz for Debby

  6. Lucky to Be Me

  7. Sorrow Wind

  8. It Could Happen to You

  9. Some Other Time


 































 
BarBarBar音楽院