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2019.11.28スタッフブログ

今月のお薦めの1枚:ジャズ・器楽編~ “Monday Night at Birdland”

今月のお薦めの1枚~ジャズ・器楽編は「マンデー・ナイト・アット・バードランド(Monday Night at Birdland)」です。

このアルバムは、1950年代前半迄のジャズの主流ジャンルの一つであったビバップを、よりメロディアスで聴きやすくすると同時に、演奏者の個性や情熱を更に表現することができるスタイルにした進化させたジャンルのハード・バップが全盛期を迎えつつあった1958年に録音、制作されました。この頃のハード・バップ ジャズの担い手の、ジャズ・トロンボーン奏者のカーティス・フラー、ジャズ・サクソフォン奏者ハンク・モブレー、ジャズ・トランペット奏者リー・モーガン、ジャズ・ピアニストレイ・ブライアント等錚々たるメンバーが参加しており、ニューヨークの名門ジャズ・クラブ バードランドに於けるライブ演奏を収録し、当時のハード・バップ・ジャズの有力レーべルの一つ、ルーレット・レコードから発売されました。

この頃のジャズ・クラブ バードランドでは、当時ラジオのジャズ番組のDJとして多大な人気の有ったシンフォニー・シッドが司会を務め、ハード・バップのアーティスト達が演奏するショーが連日の様に行われ、その演奏がそのままシッドの番組としてオン・エアされていました。このアルバムでの演奏もその一環として行われていたと思われ、各曲の演奏の前にシッドの心地よいバリトンの声によるMCが聴くこともできます。

テナー・サクソフォンのハンク・モブレーは、1930年にジョージア州イーストマンで生まれました。20代前半でデビューした後は、当時絶大な人気を誇っていたジャズ・トランペット奏者ディジー・ガレスピーやジャズ・ドラマー マックス・ローチらに才能を認められ共演を重ね、その後はジャズ・トランペット奏者ケニー・ドーハムやジャズ・ピアニスト ホレス・シルバーらと共演を続け、当時の名門レーベルの一つブルー・ノートから1955年から196020枚以上のアルバムの録音に参加し、ハード・バップ・ジャズの発展に寄与。中でも同レーベルから発表されたリーダー・アルバムの「ソウル・ステーション(Soul Station)」はハード・バップ・ジャズの名盤の一つとして現在でも高い評価を受けています。このアルバムでは他にサクソフォン奏者として、当時それ程知名度は高くなかったもの実力派奏者としてアーティスト間で広く認められていたビリー・ルートも演奏に参加しています。

トランペットのリー・モーガンは、1938年にペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれました。幼少よりその才能は広く知られ、若干18歳でジャズ・トランペット奏者ディジー・ガレスピーのバンドに参加。そして同年に早くもブルーノートからデビュー・アルバム『Lee Morgan indeed!』を発表し、その演奏力の高さからクリフォード・ブラウンの再来とも呼ばれた様です。以降もアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ等の名門バンドに参加したり、「ザ・サイドワインダー(The Side Winder」」等の名盤を残し、主要なハード・バップ・ジャズ アーティストの一人として70年代に入るまで活躍しますが、1972年34歳の若さで知人とのトラブルから不遇の死を遂げます。

トロンボーンのカーティス・フラーは、1934年にミシガン州デトロイトで生まれました。幼少の頃に両親を亡くし孤児の施設で育ちますが、地元の学校に進学後は同地出身で後に著名ジャズ・アーティストになるジャズ・ベース奏者ポール・チェンバースやジャズ・ピアニスト トミー・フラナガン等らとの知己を得ることが出来て、それはその後のアーティストとしての活動のアドバンテージになります。軍隊を除隊後の1956年にジャズ・サクソフォン奏者ユーゼフ・ラティ―フのバンドに参加し、本格的なプロとしての活動を開始した後、1957年にニューヨークに移住し、同年に早くも当時の名門ジャズ・レーベルの一つ プレスティッジレコードからデビューアルバム「ニュートロンボーン(New Trombone)」を発表し、以来アート・ファーマーやベニー・ゴルソン等多くの著名アーティスト等と共演を重ね、80代になった現在もジャズ・トロンボーンの第一人者として、ツアーや後進の指導等を続けています。

ピアノのレイ・ブライアントは、1931年にペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれました。6歳からピアノを学び始め、10代後半には既にプロとしての活動を開始。 その後は、マイルス・デイヴィスやソニー・ロリンズ、コールマン・ホーキンスら著名アーティストして共演を重ねジャズ・ピアニストとしての名声を確立。またカーメン・マクレエやアレサ・フランクリンら著名ボーカリストからの評価もたかく彼女らの伴奏者を務めた。1950年代後半からは自身のトリオを結成して世界中で演奏する一方、ソリストとしても活躍した。作曲家としても「クバーノ・チャント(Cubano Chant)」「マディソン・タイム(The Madison Time)」「リトル・スージー(Little Susie)」等多くの名曲を残し、これらの曲は多くのジャズ・アーティストがカバー演奏しました。

ベースのトミー・ブライアントは、1930年にペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれました。このアルバムで共演しているピアニスト レイ・ブライアントの1歳上の兄で、12歳からベースを弾き始め、10代後半には地元のバンドでプロとしての活動を開始。 その後は兄のレイだけでなく、ジャズ・トランペット奏者 ディジー・ガレスピーやロイ・エルドリッジ、ジャズ・サクソフォン奏者コールマン・ホーキンスら著名アーティストとの共演を重ね、実力派ベース奏者として評価され活躍しました。

ドラムのスペックス・ライトは、1927年にこのアルバムでも共演しているブライアント兄弟と同じ、ペンシルバニア州フィラデルフィアで生まれました。アーミー・バンドでドラムを演奏し、除隊後にプロとして本格的に活動を開始。ジャズ・サクソフォン奏者ジミー・ヒースやジャズ・トランペット奏者ディジー・ガレスピーやハワード・マギー等多くの著名ジャズ・アーティストとの共演を重ね、着々とアーティストとしてのキャリアを積んでいましたが、1963年に36歳の若さで病気で亡くなりました。


今回ご紹介する「マンデー・ナイト・アット・バードランド(Monday Night at Birdland)」は、普通良くある様な、特定のアーティストがリーダーのバンドの演奏を収録したものではなく、シンフォニー・シッドがDJを務めるバードランドでのラジオの生番組のショーのために集まったアーティスト達のセッション的意味合いが強いものですから、ハード・バップ・ジャズが全盛期を迎えつつ有った当時の熱気や臨場感が味わえると思います。


無題



マンデー・ナイト・アット・バードランド


Monday Night at Birdland


このアルバムでは、サクソフォンはハンク・モブレー、ビリー・ルート、トランペットはリー・モーガン、トロンボーンはカーティス・フラー、ピアノはレイ・ブライアント、ベースはトミー・ブライアント、ドラムはスペックス・ライトと、1950年代に入ってからの黎明期を経て全盛期を迎えつつ有ったハード・バップ・ジャズを担っていた実力派アーティストばかりが参加しています。

収録曲は当時多くのハード・バップ・ジャズのアーティストに度々演奏されていた名曲ばかりで、先ずシンフォニー・シッドの紹介で、マイルス・ディビスの名演で知られる「ウオーキン(Walkin')」で演奏は始まり、次いでスタンダード曲の「オール・ザ・シングス・ユー・アー(All The Things You Are)」、そしてヴィブラフォン奏者ミルト・ジャクソン作曲のブルーススタイルの名曲「バグス・ブルース(Bag's Groove)」の演奏が続き、最後はやはりスタンダード曲の「ゼア・ウイル・ビー・アナザー・ユー(There Will Never Be Another You)」の演奏で締めくくるという構成になっています。


BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・サクソフォン、ジャズ・トランペット、ジャズ・トロンボーン、ジャズ・ピアノ、ジャズ・ベース、ジャズ・ドラム等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはハード・バップ・ジャズのトップ・アーテイストによる、ジャズ・スタンダード曲を始め名曲ばかりの演奏が収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。


< 収録曲リスト>

  1. Walkin'

  2. All The Things You Are

  3. Bag's Groove

  4. There Will Never Be Anothe You


















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