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2020.01.21スタッフブログ

今月お薦めの1枚:ジャズ・器楽編~ ソニー・ロリンズ “ザ・スタンダード (The Standard) “

今月お薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、演奏楽器であるジャズ・サクソフォンの分野だけに留まらず、その革新的な奏法や卓越した音楽性、そしてジャズのスタンダードになる様な数々の名曲の作曲で、ジャズ界全体に大きな足跡を残して来たテナー・サクソフォン奏者ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)が、これ迄発表してきた70近いリーダー・アルバムの中から、「ザ・スタンダード(The Standard)」を選び、ご紹介したいと思います。

ソニー・ロリンズは、1930年9月7日にニューヨークで生まれました。そして早くも7歳の頃には、当時人気を博していたルイ・ジョーダン等のジャズのレコードを聴いてジャズ・サクソフォンに興味を持ちますが、9歳では先ずピアノを学び始め、11歳でアルト・サクソフォンも学び、高校時代にテナー・サクソフォンに転向します。この頃、同じくニューヨーク出身で同世代で、その後同じくジャズ界を代表するアーティストとなる、アルト・サクソフォン奏者ジャッキー・マクリーンやピアニストのケニー・ドリューと一緒にバンドを組み、また当時ジャズ界を代表するサクソフォン奏者の一人 コールマン・ホーキンズがたまたま近所に住んでおり、サインを貰うためにホーキンスの自宅を訪ねたこともあった様で、ジャズ・アーティストを志すソニーにとっては環境、人脈に恵まれていたと思われます。

その後は本格的にプロの道を歩み始め、1949年19歳の時には、早くもジャズ・トロンボーン奏者J・J・ジョンソンのレコーディングに参加し、初の自作曲「Audobon」を提供しています。またこの頃から後にジャズ・ピアノの巨人と称されるバド・パウエルとも共演し始めていた様です。

1950年代に入ると、当時ジャズ界に大きな影響を与え始めていたジャズ・トランペット奏者マイルス・デイヴィスと初めて出会いますが、マイルスは、当時のソニー・ロリンズに関して「チャーリー・パーカーと同じようなレベルでサックスを吹いていると言う連中もいた」とコメントし、注目しており、その後は直ぐにソニー・ロリンズを共演メンバーに招き入れ、多くのアルバムを残すことになります。

マイルス・デイヴィスと共演する傍ら、初めてのリーダー・アルバムレコーディングを行ない、これを機に当時のジャズ有力レーベルのプレスティッジ・レコードとの契約を得ました。  その後もバンド・リーダーとしての活動と並行して、マイルス・デイヴィスのレコーディングに参加し続け、1953年にマイルスのアルバム「コレクターズ・アイテムズ」のレコーディング・セッションに参加した時は、ソニーが長年憧れていたチャーリー・パーカーとも共演を果たします。また同年に行われたロリンズのリーダー・アルバムのレコーディング・セッションでは、当時人気を博していた「モダン・ジャズ・クァルテット」がバックを務め、{ソニー・ロリンズ・ウイズ・モダン・ジャズ・カルテット(Sonny Rollins With the Modern Jazz Quartet )」のタイトルで発表されています。

この様にプロ・デビュー以来、その才能をマイルス・デイヴィスを始め、多くの著名アーティストやレコード会社が注目し、順風満帆ともいえる演奏活動を行なって来たソニー・ロリンズですが、1954年に音楽活動を停止して突然シカゴに引きこもります。しかし1955年11月には、クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテットのメンバー一として演奏活動再開し、更にマックス・ローチのサポートを得てバンド・リーダーとしても再起を果たします。

その後も1950年代だけで、ブルーノート、コンテンポラリー・レコード、リバーサイド・レコードなど様々なレコード会社で多くのレコーディングを行ない、「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」「ニュークス・タイム」「フリーダム・スイート」等、後に名盤と呼ばれる多くのアルバムを発表しています。 またこの時期はレコーディング、アルバム制作活動を積極的に展開する一方で、コンサート活動も継続して行っており、特に1957年11月には、ニューヨークの音楽の殿堂カーネギー・ホールでもコンサートを行っています。

しかし人気絶頂であった1950年代の末期に、ソニー・ロリンズは自分の演奏を再度見つめ直したいと言う理由で突然引退します。引退後も練習は続け、最初はニューヨーク市内の自宅近所の公園で練習していましたが、近隣から音の苦情が来たため、練習場所を同市内のウィリアムズバーグ橋に移した様です。

その後、1961年11月には演奏活動を再開し、ほどなくRCAビクターと契約。そしてよく1961年初頭にはギター奏者のジム・ホールなどを従えてレコーディングします。このアルバムのタイトルは、引退時期に練習を行なっていた場所ウィリアムズバーグ橋にちなんで「橋(Bridge)」となりました。 その後も積極的にレコーディング活動に行い、1962年発表の「ホワッツ・ニュー(What's New)」は、ラテン音楽の要素を取り入れた作品になり、一方、ライブ・アルバム「アワ・マン・イン・ジャズ(Our Man in Jazz)」では、フリー・ジャズ界のトランペット奏者ドン・チェリー等と組んで前衛的な試みも行なっており、改めてソニー・ロリンズの音楽性の幅広さを世の中に示した形になりました。

そして1963年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演時には、長年憧れていた同じテナー・サクソフォン奏者コールマン・ホーキンスとも共演を果たし、ホーキンスをゲストに迎えたアルバム『ソニー・ミーツ・ホーク』も制作。またこの年には初来日も果たしています。

その後は当時有力レーベルになっていたインパルス・レコードに移籍し、1966年にはイギリスの映画「アルフィー」の音楽を担当し、同タイトルのアルバム「アルフィー」を同レーベルから発表しています。 1968年には2度目の来日公演を行いますが、同年に精神修行のためインドを訪問し、翌年1969年秋に、3度目となる音楽活動の停止をします。そして約二年半の一時引退時期を経て、1972年3月に、過去ライブ・レコーディングも行ったことの有る、ニューヨークのライブ・ハウス ヴィレッジ・ヴァンガードに出演を機に活動を再開。そして同年の7月には6年ぶりとなるスタジオ・レコーディングを行ない、アルバム「ネクスト・アルバム」を発表します。このアルバムでは、エレクトリック楽器を導入し、その後に続くフュージョン等の新ジャンルの時代を見据えたサウンドへの挑戦も行いました。また、このアルバムでは曲によっては珍しくソプラノ・サックスを吹いたりして、これらの新しい試みは高い評価を得ました。

その後も、3度目となる来日公演を果たす等、演奏活動を積極的に行う傍ら、レコーディング、アルバム制作活動も精力的に行い、2000年代に入る迄の30年近くの間に、マイルス・トーンレーベルから30枚近い数多くのリーダーアルバムを発表して来ました。しかし75歳になった2005年に、これ迄の活動を縮小することを宣言。その後は自主レーベル「ドキシ―」を立ち上げ2枚のアルバムを発表し、演奏活動の方も、2007年に1957年に最初にコンサートを行なったカーネギー・ホールで50周年コンサートを実施したり、翌2008年の来日公演を行なうものの、それ以外は宣言通り、それ程目立った活動も行わず現在に至っています。

今回ご紹介する「ザ・スタンダード(The Standard)」は、この様にソニー・ロリンズが半世紀以上に渡る長い音楽活動の中で残して来た70近い多くのリーダー・アルバムの中から、最も積極的に音楽活動を行なっていた時期の1964年に、当時所属していたレコード・レーベル「RCAビクター」からリリースされたもので、アルバム・タイトルの通り、全編ジャズのスタンダード曲ばかり12曲が収録されており、当時新進気鋭のピアニストで有ったハービー・ハンコックや、長年の盟友ベーシスト ボブ・クランショー、ドラマー ミッキー・ロッカー、そしてジャズ・ギターの名手 ジム・ホール等のアーティストが参加しています。

 

無題



ソニー・ロリンズ


Sonny Rollins


ザ・スタンダード


The Standards


このアルバムでは、長年共演してきたベースのボブ・クランショーやドラムのミッキー・ロッカー等の気心の知れたアーティストを始め、ピアノにはハービー・ハンコック、ギターにはジム・ホールと実力派アーティストが周りを固める中、ソニー・ロリンズは縦横無尽に奔放に、しかし音楽性、完成度の高い演奏を繰り広げています。

収録曲は、アルバムのタイトル通り、「夜も昼も(Night and Day))」や「ラブレター(Love Letters)」「My One and Only Love」、ディズニーの曲で、後にジャズ・スタンダードの一つになった「星に願いを(When You Wish upon a Star)」等、ジャズのスタンダード曲ばかり13曲の構成になっています。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で、現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・サクソフォン、ジャズ・ピアノ、ジャズ・ベース、ジャズ・ドラム等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはジャズのトップ・アーテイストによる、ジャズの名曲を中心とした演奏が数多く収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. "Autumn Nocturne"

  2. "Night and Day"

  3. "Love Letters"

  4. "My One and Only Love"

  5. "Three Little Words"

  6. "Trav'lin' Light"

  7. "I'll Be Seeing You"

  8. "My Ship"

  9. "It Could Happen to You"

  10. "Long Ago (and Far Away)"

  11. "Winter Wonderland"

  12. "When You Wish upon a Star"

  13. "Trav'lin' Light"

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