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2020.06.18スタッフブログ

今月お薦めの1枚:ジャズ・器楽編~ リー・コニッツ “ザ・リアル・リー・コニッツ(The Real Lee Konitz)”






今月お薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、90歳を超えてからも精力的に演奏活動を続けていたものの、今年4月に新型コロナウイルスに感染し肺炎のため、92歳で亡くなったジャズ・アルト・サクソフォン奏者リー・コニッツが、70年以上にも及ぶ演奏活動の中で遺した100枚以上のリーダー・アルバムの中から、代表作の一つと言われている「ザ・リアル・リー・コニッツ(The Real Lee Konitz)」を選び、ご紹介したいと思います。

リー・コニッツは1927年にイリノイ州シカゴで、オーストリアとロシアからのユダヤ系移民を先祖に持つ両親の下で生まれました。幼少から兄弟で当時ラジオで頻繁に放送されていたベニー・グッドマン楽団等のジャズの演奏を聴いて楽しんでいた様で、11歳の時に最初の楽器としてクラリネットを買い与えられます。その後、アルト・サクソフォンに転向したリー・コニッツは、スタンダード曲の演奏法を学ぶ前から、既に独学で即興演奏を出来る様になっていた様です。

そして1945年、18歳の時には早くも、当時人気の有ったテディ・パウエル率いるバンドに入団し、プロとしての活動を始めます。しかしバンドはその1か月後に解散。その後はいくつかのバンドへの参加をしていましたが、この間1946年には、その後のリー・コニッツの音楽性に大きな影響を及ぼすジャズ・ピアニストのレニー・トリスターノと出会い、小さなバーで共演する内に着実に実力を高め、ジャズ・アーティストとしての自己の音楽スタイルを確立して行きます。

その後も、当時気鋭のジャズ・アレンジャー ギル・エバンスに編曲を依頼する等して、絶えず斬新なジャズのスタイルを目指していたクロード・ソーンヒルバンドへの参加等で、更に独自のスタイルを持つジャズ・アルトサクソフォン奏者として注目を浴びる様になりました。

その結果、当時斬新なスタイルのジャズを模索していたジャズの巨匠の一人、トランペット奏者マイルス・デイヴィスのバンドに1948年から1950年にかけて参加しましたが、当時の録音音源を集め発表された「クールの誕生(Birth of the Cool)」は、後にジャズの歴史的名盤として高く評価されることになりました。

因みにこのアルバムには、リー・コニッツの他、ジェリー・マリガンやカイ・ウインディング、アル・ヘイグ等多くの所謂白人系ジャズ・アーティストが参加しており、当時仕事の少なかったアフリカ系アメリカ人アーティストから苦情が出た様ですが、新しいジャズのスタイルを生み出すために邁進していた同じアフリカ系アメリカ人アーティストのマイルス・デイヴィスは全く意に介さなかったという逸話も残っています。

1950年代に入ると、リー・コニッツはスタン・ケントン楽団等いくつかの有力バンドに参加する一方、自己のバンドでの演奏にも力を入れる様になり、ジャズ・アルトサクソフォン奏者としてだけでなく、着実にリーダーとしてもジャズ界での名声と人気を確立して行きます。

そして毎年の様にリーダーとしてアルバムを数多く発表して行った他、ジャズ・ピアニスト デイブ・ブルーベック、ブラッド・メルドー、ジャズ・サクソフォン奏者オーネット・コールマン、ジャズ・ベーシスト チャーリー・ミンガス、チャーリー・ヘイデン、ジャズ・ドラマー エルビン・ジョーンズ、ポール・モチアン等、数多くの著名アーティストとの共演も精力的に行っていました。

一方で、ドイツのジャズ・レーベルECMからも乞われてアルバムの録音活動に参加する傍ら、ドイツのケルンに一時期居住してヨーロッパの若手アーティスト等とも数多くの共演し、ヨーロッパ・ジャズ界にも多くの影響を与え、この内の何人かの若手アーティストはその後、ヨーロッパを代表するジャズ・アーティストになっています。

この間、1973年には初めてとなる来日公演を果たし、その後も数度の来日公演を行い、最後の来日となった2017年には「東京JAZZ 2017」に出演し、挾間美帆指揮のデンマーク放送ビッグバンドと共演し、89歳の年齢を感じさせない演奏を5,000名近い大勢の聴衆の前で披露しています。

70年以上にも及ぶ長いキャリアの中で、絶えず精力的に演奏活動を行っていたリー・コニッツらしく、晩年もアルバムを次々と発表。2017年には、現在最高のピアノ・トリオの一つと呼ぶに相応しいピアノ ケニー・バロン、べース ピーター・ワシントン、ドラム ケニー・ワシントンと言う名手ばかりを従え、アルバム「Frescalalto」を発表。そして翌年2018年には、晩年共演することの多かったフランス人ジャズ・ピアニスト、ダン・テプファーとのデュオで、90歳を記念したアルバム「Decade」を発表。

この様に最後まで世界各地で精力的に演奏活動を行っていたリー・コニッツですが、残念なことに新型コロナウイルスに感染し、重篤な肺炎になったことが原因で今年4月15日に、ニューヨークの病院で92歳の生涯を閉じました。

今回ご紹介する「ザ・リアル・リー・コニッツ(The Real Lee Konitz)」はリー・コニッツがマイルス・デイヴィスのバンドやスタン・ケントン楽団等、著名なバンドへの参加を経て、自己のバンドを率いて、リーダーとしての活動に力を入れ始めていた1950年代後半の1957年に、当時の有力ジャズ・レコード・レーベル「アトランティック(Atlantic)」からリリースされた、ライブ・アルバムです。

the REAL lee konitz



リー・コニッツ


Lee Konitz


ザ・リアル・リー・コニッツ


The Real Lee Konitz


このアルバムは、ペンシルバニア州ピッツバーグに有る、ミッドウエイ(Midway)というクラブでの演奏を収録したもので、リー・コニッツがジャズ即興演奏の師と仰いでいたジャズ・ピアニスト レニー・トリスターノとも何回も共演し、その後もバディ・リッチ楽団やジャズ・ピアニスト マル・ウオルドン等多くの著名ジャズ・アーティストとの共演していたイギリス出身ジャズ・ベーシスト ピーター・インド、そして同じくレニー・トリスターノと何回も共演し、その後もウディ・ハーマン楽団等で活躍していたジャズ・ギタリスト ビリー・バウアー等、実力の有るメンバー4名が周りを固める中、リー・コニッツは、多くのアーティストや評論家から高い評価を受けていた当時まだ主流だったビー・バップのスタイルとは距離を置いた独自性や斬新さが十分に感じられる即興を軸に素晴らしい演奏を繰り広げています。

収録曲は、1920年代のポピュラー界のヒット曲「You Go to My Head」や「My Melancholy Baby」「Sweet and Lovely」や、ジャズ・スタンダード曲「Easy Living」そしてリー・コニッツのオリジナル曲「Straightawa」等、全8曲の構成になっています。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で、現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・サクソフォンやジャズ・ギター。ジャズ・ベース、ジャズ・ドラム等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはジャズのトップ・アーテイストによるジャスやポピュラーの名曲の演奏が多く収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. Straightaway

  2. Foolin' Myself

  3. You Go to My Head

  4. My Melancholy Baby

  5. Pennies in Minor

  6. Sweet and Lovely

  7. Easy Living

  8. Midway

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