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2020.09.11スタッフブログ

今月お薦めの1枚:ジャズ・器楽編~ ジョージ・ムラーツ 「ジョージ・ムラーツ&フレンズ(George Mraz&Friends)」

今月お薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、ジャズ・ベースの分野に於いて、現役最高の技巧を持つ奏者と呼ばれることの多い、ジャズ・ベーシスト ジョージ・ムラーツが、60年近くにも及ぶ長年の演奏活動の中で発表して来た、100枚以上のリーダー・アルバムやサイド・マンとして参加したアルバムの中から、代表作の一つと言われているリーダー・アルバム「ジョージ・ムラーツ&フレンズ(George Mraz&Friends)」を選び、ご紹介したいと思います。


ジョージ・ムラーツは1944年にチェコ共和国で生まれました。7歳でヴァイオリンの音楽の勉強を始め、その後、アコースティック・ベースの演奏も始め、高校では既にジャズの演奏も開始していた様です。その後、1961から1966年までの5年間は、首都プラハに有る名門プラハ音楽院でベースを学びました。

プラハ音楽院に在学中は、チェコ共和国はまだ共産圏で、自由にアメリカのジャズのレコードが手に入る様な状況ではなかった様ですが、ジョージ・ムラーツは、アメリカが第二次世界大戦後に欧州全域へ、アメリカの文化等も紹介する目的で創設したラジオ局ボイスオブアメリカ(Voice Of America)の放送を聴く様になり、更にジャズに慣れ親しんで行った様です。

この頃のことを次の様に回想しています。

Voice Of Americaは真夜中に1時間程聞きたい内容の放送が有り、いつも聴く様にしていたが、私のリスニング機器はそれ程良くなかったし、低音を聴き取るのも難しかった。だから私はすべての楽器を聴いていて、それが各々どのように連携しているかを聴き取る様にしていた。ベースだけに集中するのではなく、聴いたことすべてに本当に影響を受けてきましたが、もちろんベーシストの、レイ・ブラウン、スコット・ラファロ、ポール・チェンバーズ、ロン・カーターの演奏には特に注意を払っていた。」

この様にしてジョージ・ムラーツは自然に音楽、特にジャズに引き寄せられ、音楽院在学中も続けていたプラハ市内でのジャズ・クラブでの演奏でも、ベテラン奏者の並の高い評価を受け始め、実際プラハ市内のトップ・ジャズ・グループと一緒に度々演奏していました。

プラハ音楽院を卒業後はドイツのミュンヘンに拠点を移し、ジャズ・ピアニスト マル・ウォルドロン、ハンプトン・ホース、ヤン・ハマーなどと一緒に、ドイツや中欧諸国等でのコンサートで度々演奏をしていました。

そして1968年、24歳の時にジョージ・ムラーツは、アメリカ・ボストンに有るバークリー音楽院への奨学金を得て同音楽院に入学。このアメリカへの移住が、その後のジャズ・ベーシストとしてのキャリアに大きな影響を与えることになり、実際、在学直後から、彼のジャズ・ベースの演奏の素晴らしさを聞きつけた、クラーク・テリー、ハービー・ハンコック、ジョー・ウィリアムズ、カルメン・マクレーなどの多くの著名ジャズ・アーティストとも演奏しました。

そしてボストン移住の翌年の1969年の冬に、ジョージ・ムラーツは、ジャズ・トランペット界のレジェンド ディジー・ガレスピーからニューヨークで活動していた彼のグループに参加するようにというオファーを受け、数週間演奏活動を行います。その後は約2年間、やはりジャズ・ピアノ界のレジェンドの一人、オスカー・ピーターソンと共に世界中へツアーを行い、ジャズ・ベース界で名声を更に確立して行きます。その後、次の6年間は、当時斬新なサウンドと緻密なアレンジでジャズ界で高い評価を受けていたサド・ジョーンズ&メル・ルイスオーケストラに参加。 そして1970年代後半からは、ジャズ・サクソフォン奏者スタン・ゲッツやズート・シムズや、ジャズ・ピアニストビル・エヴァンス等と、そして10年以上にも渡り、ジャズ・ピアニスト トミー・フラナガンとも共演をしました。


トミー・フラナガンとの共演活動を終えた後も、ジョージ・ムラーツの才気溢れるアコースティック・ベースの演奏に惹かれた、ジャズ界をリードする様な著名ジャズ・アーティスト達から請われ共演を重ねています。具体的には、ジャズ・サクソフォン奏者ジョー・ヘンダーソン、ジョー・ロヴァーノ、マイケル・ブレッカー、ジャズ・ピアニスト ハンク・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、マッコイ・タイナー、ジャズ・ギタリスト ジム・ホール、ジャズ・ドラマー ルイスナッシュ、ジャズ・トランペットのロイ・ハーグ等と共演活動を続け、現在に至っています。

これらジャズ界を代表するアーテイストとの共演活動を続ける一方で、ジョージ・ムラーツは、ピアニストのリッチー・バイラーク、ドラマーのビリー・ハート、そしてテナー・サクソフォンのリッチ・ペリーと共に彼自身のカルテットを率いての活動も続けてきました

 そして2009年65歳の時には、長年のジャズ・アーティストとしての世界的活躍が認められ、祖国チェコ共和国の大統領からの「共和国大統領 栄誉賞」を受賞しています。



この様に近年まで精力的に活動を続けて来たジョージ・ムラーツですが、2008年にツアー中の事故で負傷して長期入院後に復活したものの、今度は2016年に膵臓の病気を患い、長時間にわたる手術を受け入院し、その後は余り表立った活動はせずに、療養中心の生活に入っている様です。


今回ご紹介する「ジョージ・ムラーツ&フレンズ(George Mraz&Friends)」は、ジョージ・ムラーツが2003年、59歳の時に録音されたリーダー・アルバムで、発売元は、ジョージ・ムラーツの祖国チェコで1994年に設立された、ジャズとクラシカル分野専門のCD制作を行っている「Arta Records」というレーベルです。


 


 


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ジョージ・ムラーツ

George Mraz


ジョージ・ムラーツ&フレンズ

George Mraz&Friends


このアルバムでは、ジョージ・ムラーツが近年率いている自己のバンドからは、そのリリカルなプレイや澄んだ音色で日本でもファンの多いピアニストのリッチー・バイラークが参加しています。ドラムは自己のバンドのビリー・ハートではなく、穐吉敏子トリオのメンバーとして日本のジャズ・ファンにも馴染みあるピーター・ドナルドで、これらのメンバーにジョージ・ムラーツのベースを加え、ほぼ全編

ピアノ・トリオの形態になっていますが、リーダーのジョージ・ムラーツのアコースティック・ベースが前面でフューチャーされた演奏も多く含まれています。

収録曲の方は、「Beautiful Love」の様なスタンダード曲や、ジョージ・ムラーツと同じチェコ出身で、同じくアメリカに渡り、後にクラシカル音楽の世界で著名作曲家と称される様になったドボルザークの作曲の交響曲第9番の第2楽章の中のイングリッシュ・ホーンのソロの旋律部分で、日本でも「家路」というタイトルで数多く演奏されている「Going Home」、そしてジャズ・トランペットのレジェンド マイルス・ディビスの名曲「Solar」「Nardis」、そしてリーダーのジョージ・ムラーツ自身が作曲した「Wisteria」等、非常に多様性に富んだ

内容になっています。



BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で、現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・ベースやジャズ・ギター、ジャズ・ピアノ、ジャズ・ドラム等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはジャズのトップ・アーテイストによるジャスの名曲の演奏が多く収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。


収録曲リスト>


  1. Going Home

  2. Beautiful Love

  3. Wisteria

  4. Solar

  5. Never More

  6. Shiver Runes Down My Spine

  7. For B.C.

  8. Nardis

  9. Young and Foolish

  10. Coo Coo

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