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2021.03.10ブログ

今月お薦めの1枚:ジャズ・器楽編~フランク・ウエス「ジャズ・フォー・プレイボーイズ」(Jazz for Playboys)」

今月お薦めの1枚~ジャズ・器楽編は、サクソフォン・フルートの奏者として、1950年代から60年代のカウント・ベーシー・オーケストラの黄金時代を支え、独立後もソリストとして多くの著名アーティストと共演し、特にジャズ・フルートの分野に於いては、ジャズ専門誌の中では最も権威のあると言われるUSAの「ダウンビードマガジン(DownBeat Magazine)」のジャズ批評家評価投票で1959年から6年連続首位を獲得するなど、ジャズ史に残る名奏者として活躍したフランク・ウエスが、リーダー格として、それ迄の多くの共演を通じ気心の知れていたアーティスト達と共に録音し、1957年、35歳の時に発表し高い評価を得たアルバム「ジャズ・フォー・プレイボーイズ」(Jazz for Playboys)」を選び、ご紹介したいと思います。

フランク・ウェスはUSAミズーリ州カンザスシティで、両親ともに教育者の一家に生まれました。 最初はクラシック音楽のトレーニングから始め、オクラホマの高校時代で主にクラシックの曲を演奏していた様です。 後にミズリー州からワシントンD.C.に引っ越した後にジャズに乗り換え、19歳まで地元のビッグバンドで活動していました。 フランク・ウエスの音楽キャリアは第二次世界大戦によって中断されましたが、彼はその従軍期間にも軍楽隊で演奏をしていました。 軍隊を除隊し帰国した後は、当時ジャズ界では人気を誇っていたビリー・エクスタインのオーケストラに加わわりました。ビリー・エクスタインは自分のオーケストラでの活動を通じ、当時若手として在籍し、後にジャズ史上に残るアーティストになったデクスター・ゴードン、マイルス・デイビス、アート・ブレイキー、チャーリー・パーカー等に代表される様に、若手ジャズアーティストの育成に長けており、フランク・ウェスも彼のオーケストラに加入中は多くの教えを受け、後のジャズ・アーティストとして大成する礎をここで得た様です。

そして数年後には、従軍前に居住していたワシントンD.C.に戻り、地元の音楽学校でフルートの学位を取得しました。 そして1953年からは幸運にも、当時既にジャズ界の代表的なビッグバンドになっていた、カウント・ベイシーのオーケストラに参加することが出来、1964年までの11年間もの長い間、テナー・サクソフォンとフルートの奏者として、同じくテナー・サクソフォンとフルートの両方を演奏したフランク・フォスターらと共に、当時大人気を博したカウント・ベイシーオーケストラの独特なサウンド形成の重要な役割を果たすことになりました。

この様にカウント・ベイシーオーケストラの黄金時代を支えたフランク・ウエスは1975年に同バンド退団しましたが、その後も、当時のジャズ界で影響力の有ったトランぺッターのクラーク・テリーのビッグバンドに加わった他、小編成のコンボでも、ピアニストのローランド・ハナと組み、ニューヨーク・ジャズ・カルテットを結成し同バンドだけでも6枚のアルバムを発表する等、精力的に活動を続けていました。その他、テレビ番組用の音楽制作にも携わる等、更に活動の場を拡げ、また1968年にはジャズ・ピアニストカーラ・ブレイらが立ち上げた、前衛的なジャズをビッグ・バンドスタイルで演奏するプロジェクト「ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ(The Jazz  Composer's Orchestra)」の活動にも一時的では有ったものの参加し、アーティストとしての音楽性の幅の広さを示していました。

その後も、テナー・サクソフォンとフルート両方で、絶えず創造的かつ安定した演奏が出来るフランク・ウエスは、多くのジャズ・アーティストからの共演オファーが有り、実際に1980年代から1990年代にかけては、ジャズ・ピアニストではケニー・バロン、ビリー・テイラー、 秋吉敏子、ジャズ・ベーシストではルーファス・リード、ジョン・クレイトン、ジャズ・サクソフォン奏者ではベニー・カーター、ジャズ・トランぺッターではハリー・エディソン、ジャズ・ギタリストではジョン・ピッツァレッリ、ジャズ・ボーカリストではメル・トーメ、アーネスティン・アンダーソン等、ジャズ界での各ジャンルの代表的アーティストとの多くの共演を果たしてきました。 2000年代に入ってからも、フランク・ウェスは既にジャズ界のレジェンド・ピアニストになっていたハンク・ジョーンズと一緒に2枚のアルバムをリリースする等、晩年も変わらずに積極的な活動を続け、2007年には70年以上に及び長年のジャズ界での幅広い活動の功績が称えられ、全米芸術基金から名誉あるジャズマスターに選出されました。 この様に長年ジャズ界の第一線で活躍して来たフランク・ウエスですが、残念なことに、2013年10月に腎不全に関連した心臓発作で、81年の生涯を閉じました。

「ジャズ・フォー・プレイボーイズ」(Jazz for Playboys)は、フランク・ウエスがカウント・ベイシーオーケストラに在籍中の1957年、35歳の時に発表されたアルバムです。このアルバムでは、ギター フレディ・グリーン、トランペットはジョー・ニューマン、ベースはエディ・ジョーンズ、ドラムはガス・ジョンソンら、当時のカウント・ベイシーオーケストラの同僚が回りを固める中、当時ジャズ界で注目され始めてていたギタリスト ケニー・バレルやドラマー エド・シグペンも参加し、好演しています。

 

Jazz_for_Playboys


フランク・ウエス
Frank Wess


ジャズ・フォー・プレイボーイズ


Jazz for Playboys


このアルバムでは、リーダー格のフランク・ウエスが、長年多くのジャズ評論家らに、ジャズ界トップレベルと絶賛されていたフルートと、テナーサクソフォンを演奏している他、フランク・ウエスと共にカウント・ベイシーオーケストラの黄金期を支えたジョー・ニューマンがトランペット、エディ・ジョーンズがベース、ガス・ジョンソンがドラムを演奏していて、さながらカウント・ベイシーオーケストラからのピック・アップバンドの感が有りますが、興味深いのはギターにもう一人ケニー・バレルが加わっていること。これによりカウント・ベイシーオーケストラで定評の有ったフレデイのリズムを堅実に刻みグルーブ感を醸し出すギター演奏をバックに、ケニーが技巧と音楽性両面で高い評価を受けていた即興演奏をギターで展開すると言う心地よい世界が展開されています。 勿論、他の名手達の高いレベルの演奏も聴き逃せません。

BarBarBar音楽院は、長年ジャズの街横浜で、現役一流ジャズ・アーティストの講師陣によるレッスンを提供して参りましたが、今当院でジャズ・サクソフォンやジャズ・ピアノ、ジャズ・ベース、ジャズ・トランペット等のレッスンを受けている方、そしてこれから当院でこれらの楽器のレッスンを受けようと思っていらっしゃる方にも、このアルバムはジャズのトップ・アーテイストによる名曲の演奏が多く収録されていますので、ご参考用に是非お薦めしたいと思います。

< 収録曲リスト>

  1. "Playboy"

  2. "Miss Blues"

  3. "Baubles, Bangles and Beads"

  4. "Low Life"

  5. "Pin Up"

  6. "Blues for a Playmate"


 
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